こんにちは JAYLOGです。
2020年の4月より小学校で導入されるプログラミング教育の必須化が始まりますが、その一方で中学校でもプログラミング教育のカリキュラムが変更になります。
中学校では2021年よりカリキュラムが変更になり、特にプログラミングに関する指導要領が全面実施になります。
とはいうものの。。。。
『全面実施ってなに?』
『どう変わっていくの』
『いつから始まるの』
『受験への影響は??』
など、情報が少ないので不安に思っている方も多いのでは??
今回はこの様な内容をざっくり分かるようにしてイメージできるようにしたいと思います。
プログラミング教育とは
まずは、そもそも中学校でのプログラミング教育って何?という方のために、概要をご説明したいと思います。プログラミング教育とは子どもがプログラミング的思考を学ぶための教育になります。
この思考力は今の中学生の子どもが将来のグローバル化や多種多様な問題解決をしていくためには必要なスキルと言われております。
具体的に言うとこのような3つの能力が育成できます。
- 論理的思考力
- 問題解決力
- 創造力
このスキルを身につけることで、ある目的や問題に対して様々な背景を持った人々とコミュニケーションを取りながら目的達成や課題解決を実行出来るようになります。
また、プログラミング的思考を身につけるのは時間がかかる為、早いうちから取り組んだ方が効果があると言われております。
すでに中学校ではプログラミング教育は行われていた
実は中学校では2012年よりすでにプログラミングは取り入れられております。
現行の学習指導要領では『技術・家庭』科目の一部に取り入れられております。
技術分野の中の『プログラムによる計測や制御』というカテゴリで授業が行われておりました。
あくまでも計測や制御が目的であり、その達成ツールとしてプログラムがあるという位置づけであるのと『そもそも機材が足りない』、『学習に時間がかかる』などの点からプログラムを実際にしっかり取り組む機会が確保しづらいという現状がありました。
ですので、学習指導要領には言及されているもののプログラミング教育をしているという状態とは言いづらいという課題があります。
どう変わっていくのか?
新しい学習指導要領ではどのようになっているのでしょうか。
プログラミング教育を取り扱う科目自体は『技術・家庭』のままで変わりません。
しかし取り組む内容が変わってきます。
キーワードで追っていきましょう。
- 双方向性のあるコンテンツを使った問題解決の実施
- 社会や生活における問題をプログラミングを使って解決
双方向性のあるコンテンツを使った問題解決の実施
今までは単純に入力した文字を画面に表示していくだけでしたが、新しい学習指導要領では
①コンピューター⇔利用者
②コンピューター⇔コンピューター
と双方向で各々やり取りが出来るコンテンツ(簡単に言うとアプリみたいなもの)を作っていくようになります。
ざっくりとしたイメージでは例えばLineをもっと簡単にしたようなチャットのようなものです。
上記のモノであれば双方向性になります。
①利用者がパソコンに文字を打ち込み(利用者⇔コンピュータのコミュニケーション)
②その文字情報を別の端末に表示(コンピューター間のコミュニケーション)
計測と制御の問題をプログラミングを使って解決
今までは単純なプログラムを組むだけでしたが、新しい学習指導要領では社会や生活で発見した課題において実際に解決策を考えて実際にプログラムを作っていきます。
最終的にはその成果物が課題解決に役に立ったのかという評価まで実施します。
この2つの変更点を実施していくことで、論理的思考や問題解決力、創造力が養われてきます。
また、少し話は変わりますが、システム開発はざっくり4つのプロセスを踏んでいきます。
- どうやって課題解決をしていくのか
- どんなものを作るのか
- 実際に作る
- 作ったものが役に立ったのか
新指導要領では上記2つのキーワードの他に『課題設定』『安全・適切なプログラムの作成』『動作確認・デバック』『結果の評価、改善』というキーワードもありましたので、システム開発の一連の流れも体験することが出来るようになります。
ですので、プログラミング的思考と技術的な要素をより強く意識して授業を行う様になるのが新しい中学校での学習指導要領の変更点になります。
ちなみにITリテラシー(モラルやセキュリティなど)については引き続き学習対象になります。
全面実施ってなに?
全面実施とは中学校での年次に関わらず新学習指導要領に基づき、計画的に授業を実施していくということです。
中学校三年生なら残り1年間で新学習指導要領の中で出来ることをやっていきましょうという内容になり、学校側で考慮が必要なポイントになります。
中学校でプログラミングを取り入れる上での課題は
2021年度より中学校の『技術・家庭』の科目でよりプログラムの要素が強くなると言っても急に環境が変わるものでもないです。
以前から課題となっている下記2つの課題は引き続き解消していく必要がります。
機材や授業時数の不足
パソコンやタブレットなどの機材や授業時数については引き続き不足していくでしょう。
とはいえ、新学習指導要領では技術要素を強く出しているため、徐々に改善はされていくという見通しです。
例えば授業時数の問題であれば今まで木工や金属加工に使っていた時間配分を見直す等行いプログラムの時間を捻出するなどです。
また、コンピューターやタブレットの機材については文部科学省が2020年までにすべての小学校、中学校へ1人1台のタブレットを用意するという目標を掲げております。
教員のスキル不足
新学習指導要領ではより技術的な要素も強くなってきます。
それに伴い教員側もそのニーズに応える必要がありスキルが不足してくる懸念があります。
これについては一朝一夕で解決できるものでもないので、ご家庭でのフォローも検討されてもいいと思います。
受験への影響は?
中学校から高校に進学するためには当たり前で恐縮ですが、受験が必要になります。
科目が新設されたわけではないので今のところ受験科目になるという動きはありません。
しかし、
- 令和6年度以降に「大学入学共通テスト」で情報科目の採用が検討されている。
- 公立高校の入学者選抜では実技科目でも評価対象になる。
- プログラミング的思考の定着には時間がかかる
ということを踏まえると直接的には影響は少ないけど将来的には大きな影響を与えるものと考えられ、今のうちから長期的な対策を立てるのが肝要です。
ご家庭でどんなフォローが出来る?
プログラミング的思考は前述したように子どもの今後を考えると必要な能力だと考えています。
その教育ニーズがある一方で、その能力を育成していく教員はプログラムの知識と経験が不足している可能性があり、十分に教えてあげることが出来ない可能性があります。
その問題点は私たち親も同時に抱えております。私たち先生同様にそのような教育を受けておらず、自分たちで子どもに教えていくのは算数や国語と違い難しいのではと考えております。(私もその1人です)
その為、もし子どもにプログラミング思考を身に着けさせたいのであれば、通信教育や教室に通わせあげた方が目的が達成させやすいです。